EBITDA という指標は本当に信頼できるのか?投資前に必読

EBITDA とは一体何のことか

EBITDA は英語で Earnings Before Interest, Tax, Depreciation, and Amortization の略で、日本語に訳すと「利息、税金、減価償却費、償却前の利益」という意味です。要するに、企業のコア事業からどれだけのキャッシュを生み出せるかを測る指標です。

この指標は特にテクノロジー企業や高成長企業に好まれます。例えば Tesla や SEA Group のように、まだ資金を燃やしているスタートアップ企業が自社の「収益潜在力」を示すために EBITDA をよく使います。

なぜこの指標がこんなに流行っているのに、バフェットは嫌うのか

EBITDA は投資家にとって、**企業の本当の「血を流す力」**を見抜くのに役立ちます。利息や税金、減価償却といった会計項目に惑わされずに済むからです。もし同じ業界の企業同士で EBITDA で比較すれば、誰の運営効率が高いかが見えてきます。

しかし、問題もあります。——バフェットはなぜこの指標を嫌うのか?それは:

EBITDA は多くの実際のコストを無視しているからです。 たとえ企業が大きな赤字を出していても、EBITDA の数字は良く見えることがあります。例えば、企業が多額の借金をして利息を支払っている場合、それは実際のキャッシュ支出ですが、EBITDA ではそれを除外しています。これはまるで、「お金持ち」を自称しながら、実は借金に頭を抱えている人のようなものです。

EBITDA の計算方法

計算式はとてもシンプルです:

EBITDA = 税前利益 + 利息支出 + 減価償却費 + 償却費

または別の表現で:

EBITDA = EBIT(営業利益)+ 減価償却費 + 償却費

実例を見てみましょう。タイの食品会社 THAI PRESIDENT FOODS の2020年の財務データを例にします。

財務諸表から次の数字を抽出します:

  • 税前利益:59.98億タイバーツ
  • 利息支出:283万タイバーツ
  • 減価償却費:12.07億タイバーツ
  • 償却費:886万タイバーツ

これらを式に代入すると:

EBITDA = 5,997,820,107 + 2,831,397 + 1,207,201,652 + 8,860,374 = 72.17億タイバーツ

これが、その年のこの企業の EBITDA です。

投資家は EBITDA をどう正しく使えばいいのか

最も適した使い方は短期的な比較です。業界内の異なる企業の運営効率を比較するために EBITDA を使えば、誰がより儲けているかが見えてきます。ただし、長期的な投資判断には使わない方が良いです。なぜなら、減価償却や償却費は「非現金費用」に見えますが、実際には現金の支出だからです。

EBITDA の倍率も重要です。EBITDA を総売上高で割ると EBITDA マージンが得られます。良い企業のこの比率は 10%以上が目安です。比率が高いほど運営効率が良く、財務リスクも低いといえます。

EBITDA と営業利益、どちらがより実態に近いのか

営業利益はすべての運営コストを差し引いた後の純粋な利益です。一方、EBITDA は減価償却や償却を加え戻したものです。

比較してみるとわかります:

指標 EBITDA 営業利益
定義 減価償却・償却を差し引いていない利益 全ての運営コストを差し引いた利益
目的 企業の「血を流す力」を見る 実際の経営成果を把握
会計基準 非標準指標 GAAP(一般会計原則)基準の指標

簡単に言えば、EBITDA は楽観的に見えやすく、営業利益はより現実的です。

EBITDA 使用時の四つの落とし穴

第一の落とし穴:数字が粉飾されやすい

EBITDA は逆算で出すため、企業は減価償却や償却を調整して「見栄えを良く」することが可能です。見た目は良くても、その裏には非現金項目の操作が隠れていることもあります。

第二の落とし穴:キャッシュフローを反映しない

借金返済や税金、大規模な資本支出は実際のキャッシュ支出です。EBITDA はこれらを無視しているため、まるで収入だけを見ていて、ローンや生活費を無視しているようなものです。

第三の落とし穴:高 EBITDA = 企業の体力があるわけではない

EBITDA が高くても、背後に多額の借金があったり、利息だけで多くの資金を使っている場合もあります。こうした企業は経済の逆風に遭うと一気に崩壊の危険があります。

第四の落とし穴:短期分析にしか使えない

EBITDA はあくまで「スナップショット」。今の運営効率を映すだけで、長期的には見えないコストが最終的に利益を食いつぶすこともあります。

総合的な判断のためのアドバイス

EBITDA は決して悪い指標ではありませんが、唯一の参考にすべきではないということです。投資判断は次のように進めるのが良いです。

  1. まず EBITDA で運営効率を把握——同業他社と比較して、誰がより儲かるかを見る
  2. 次に純利益を確認——減価償却や償却も最終的にはコストになる
  3. 最後にキャッシュフローを見て最終判断——実際に手元に現金があるかどうかが最も重要

特に成長期の企業では EBITDA は潜在力を示しますが、キャッシュフローや負債比率、利益率などと併せて判断することが重要です。盲目的に EBITDA だけを見ると、写真だけ見て家を買うようなもので、失敗しやすくなります。

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